説明
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ラッピング加工(プロファイル加工)は,Vカットでは困難な2次曲面への化粧シートのラミネートを可能にします.複雑な曲面形状の部材に木目柄の化粧シートをラミネートすることでより高度の木質感を付与できるので,部材の用途,使用範囲が大きく広がります.

ラッピング加工された部材の例(芯材はMDF) (松下電工(株)カタログより)
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原料と製法
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- ラッピング加工の芯材,表面材,接着剤には次のようなものが用いられます.
- 芯材となる素材:MDF,パーティクルボード,合板,集成材,木材,プラスチック成型品,アルミ成型品など
- 表面材となる素材:樹脂化粧シート,コート紙,突き板シートなど
- 接着剤:2液型および1液型反応型溶剤系接着剤,ホットメルト系接着剤,水系接着剤など
- 化粧シートのラミネートは,次のようにして行われます.
- ロール状の化粧シートを送り出して,接着剤をドクターナイフコーター(糊タンク)で塗布します
- ヒーターの装備された乾燥ゾーンの中を通過させて乾燥させると同時に,併設された多数のロール群を使って芯材の形状に合わせて順次圧締(プレス)します
- ラッピング装置には次のようなものがあります.
- 広幅ラッピング機:収納,クローゼット扉などのラッピングに使用されています
- ソフトラミネーター:扉の鏡板等に使用されています
- PURラッピング機:PUR(反応性ポリウレタンホットメルト接着剤)は,空気中の湿気と反応硬化するため,耐熱性に優れています

ラッピング加工の例
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用途
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- ハウジング造作材:ドア枠,窓枠,幅木,廻り縁,見切材など
- 家具造作材:扉,扉框など

ラッピング加工された部材の使用例(廻り縁)
(松下電工(株)カタログより)
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物性例
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JIS K 6854「接着剤の剥離接着強さ試験方法」(廃止規格)の
JAS「合板の日本農林規格」の
- 平面引張強度:0.4 MPa以上/cm2
- 寒熱繰返しC試験:表面に割れ,ふくれ,変色なきこと
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