最近,木炭の床下調湿材が注目されているようですが,いかがでしょうか?
これは,床下環境の湿度を低下させることによって,高湿度条件を好むカビや腐朽菌あるいはシロアリの発生を防ごうという意図で行われます.
実際の住宅について,木炭調湿材を敷設した場合と敷設しないケースについて,長期間にわたり床下気象環境を測定する実験が各地で行われました.その結果,地域性,住宅の構造,敷設方法などによって明らかな差異が観察されるときと,顕著な違いが認められない場合がありました.しかし,いずれにせよ,木炭を敷設してからの年経過とともに床下環境は改善されているのは事実です.
木炭は水を浄化するはたらきや脱臭作用をもっていますが,吸着性能は炭化温度によって大きく影響されます.床下調湿材としての木炭は,500~600℃で焼いたものが推奨されています.大きさは数mm~5mm程度のものが良いようです.
木炭は,最初の乾燥重量の10%あるいは報告によっては20%まで水分を吸着することが可能で,また,容易に放湿し,繰り返し吸湿と脱湿が可能であるという特徴をもっています.このことも住宅の床下環境の制御材料としての木炭が有利な点です.また,木炭の低い熱伝導率(約0.06Kcal・hr・℃)も,床下の結露防止に寄与しているといえます.(YI)