木と草とはどこで区別しているのでしょうか?
木と草の大きな違いは,幹(茎)を太らせるか太らせないかで区別しています.
専門的に述べますと,種子植物,シダ植物の器官内部を貫く条束状の組織系を維管束といいますが,この部分が太らず木部が発達しないものを草本植物(草)といい,その反対のものを木本植物(樹木)といいます.
木本植物は多年性で,伸長成長が長年にわたり,樹皮の内側に形成層をもっていて肥大成長を行い幹を太らせることが出来ます.正確には維管束形成層といい,樹皮と木部の間にあって内側に木部の細胞を,外側には師部(内樹皮)の細胞を作り出します.形成層で作り出された細胞の寿命は一年足らずで,不要になった細胞は,細胞壁と細胞壁の間をリグニンという繊維を接着する働きのある成分で満たされて木化し強固な繊維になります.
植物分類学的にいえば裸子植物(針葉樹類がほとんどを占める)はすべて木本性であり,被子植物のうち双子葉類には木本性のものと草本性のものがあり多様化しています.単子葉類(タケ,ヤシ等)では形成層ができないか,あるいはできてもその活動が貧弱なことが多くほとんど草本性です.(JY,RK)