ある時期,「割り箸は使い捨てなので使わない」ということがありましたが,割箸は本当にエコロジーに反するのですか?
割箸を使わないから環境保護だとは限らないと思われます.
「割箸問題」で取り沙汰されていたのは,使い捨て製品の大量使用が資源の無駄遣いになるという点です.このことは割箸だけに限らず,あらゆる製品,そしてその原料にいえることでもあります.
割箸は原料が木そのものなので,それを使うことがすなわち木質資源の浪費であり,引いては木材の過剰伐採になると話題になりました.
実際のところ,製品輸入は40%を超えており,国内製のものでも外材利用が多く,国産材を使った割箸の自給率は3割ほどです.国内産材としては,製材に使えないパルプ用原木を転用しているものもあります.
輸入製品では南洋材(熱帯林)を使って割箸を使っているものは多くあります.南洋材伐採量全体の約0.03%ほどといわれており,これが多いのか少ないのかは一概には判断できません.また南洋材でも廃材を有効利用している事例が多くあります.
割箸の原料となる木材は,もともとが製材品としての利用価値の少ない間伐材・端材利用から始まった商品で,廃材の有効利用ともいえるかも知れません.また廃棄における環境への影響は,石油製品のよりは少ないと思われます.その点を比べると,木材以外の他の原料の製品ではどうでしょうか? 使用量を減らすことはエコロジーになるのであって,割箸を廃止することそのものに大きな意味があるのではありません.地球環境のために使い捨てスタイルを考え直すことが必要なのです.(JY,RK)