花粉症について,その原因が針葉樹と広葉樹といろいろ耳にしますが,その影響はどのようにちがうのですか?
植物の花粉が原因となって起こるアレルギー性疾患を花粉症といいます.
花粉症の原因花粉としては木本植物ではスギ,ヒノキ,マツ(針葉樹),ニレ,カバ,クワ,ヤシャブシ,ニセアカシア(広葉樹)等,イネ科草本植物ではカモガヤ等,雑草ではブタクサ,ヨモギ等が知られており,いずれも日本中で多く生育している植物です.
日本の人工林には針葉樹が多いのですが,これらのほとんどは風を利用して受粉する風媒花植物です.この花粉は,風に乗せて空中を移動させるために,軽い花粉を作って一斉に開花し,一気に大量放出することで受粉率を高めています.
その中でもスギは本州最北から九州に至るまでのほぼ全域で人工林の主要樹種として植林されています.それゆえ大気中に拡散される花粉の濃度が他のものに比べて高いため花粉アレルギーを引き起しやすく,日本でのスギ花粉症が多発している要因にもなっています.(JY,RK)