最近抗菌加工やぬめり・黒ズミ防止等の表示のある台所・風呂用品が増えています.特に風呂用品などは表示のないものを探すのが難しいくらいです.その効果はどのくらい期待できますか?
まな板やスポンジ,洗面器などのプラスチック製の台所・風呂用品には「抗菌」などの表示があっても,その内容を保証するような基準はありません.
実験室的なテストで抗菌効果が高かったまな板に薄めた肉汁をつけ,細菌の増減を調べると,テストでは効果のあったまな板でも,無加工のまな板と同様に菌が増殖します.すなわち,抗菌効果があっても表面に汚れ(菌にとっては栄養)が付着すれば効果は発揮されないということです.もちろん,まな板に接触した食品の菌を死滅させるような効果はありません.
繊維製品には選択の目安となる「SEKマーク」がつけられていますが,プラスチックや木材製品にはこのような基準はなく,一定レベルが保証されている訳ではありません.
一部の木材には抗菌作用や防かび効果を有する成分を含む物もありますが,十分に効果を発揮するか否かは一概にいえません.実際の使用でその効果が発揮されるためには汚れを取り除く必要があります.
つまり,普段の手入れは無加工のものと同様に行う必要があり,汚れの多い台所や風呂用品には,抗菌加工と云うだけで信頼しすぎるのは危険です.(MM)