材料名が「天然木 新カヤ」とかかれた碁盤を見かけました.樹種はなんですか?
最初に結論を言えば,「新カヤ」はカヤではありません.
新力ヤ(榧)として売られている碁盤はスプルースです.榧とは全く違う材料に新カヤという別名を付けているのですから,きわどいネーミングです.
同様に「ケヤキ風」とか「ケヤキ調」とか称して販売している上りかまち,フローリング,銘木類もその大部分は,杢目はケヤキに似ているものの,ケヤキではなく,ハリギリ・俗称センに着色したものです.「風」とか「調」という文字を付けて,ケヤキであるとは言っていないわけですが,実際の取引の時にはケヤキだということが強調されるわけです.
また,南洋桜と称して流通しているモアビ(アフリカ産)やニァト(東南アジア)などは,材色や杢目がサクラに似ているので南洋桜という新しい名前で,流通しています.
このようなネーミングは,輸入木材には極めて多くの例があります.現地名では馴染みがないので売れない,国産の銘木の代替え品として利用されている,などの理由からのネーミングだと思われます.(MM)