突板製品の表面にヒビワレが発生することをよく聞きますが,突板製品の表面ヒビワレがなぜ起こるのですか? 教えてください.
木材は,大気中の湿度変化に伴い,吸湿,放湿を行い,同時に伸縮をおこします.この繰り返しの急激な変化時に,割れ,裂けの現象が発生します.この割れ,裂け現象が製品の表面に発生したものをヒビワレと呼んでいます.
その形状は概ね,巾 0.5mm~1.0mm,長さ 10mm~50mm程のものが多いのです.ヒビワレの形状はいろいろな型に分類されますが,実際使用上問題となるヒビワレの形態は表面にもり上がりのあるものです.これは突板の下地に使用されている合板基材の表板の裏割れが乾燥により大きくなって表面突板にワレを発生させるものがほとんどです.
これに対する具体的防止策としては,
- 合板の表板の繊維方向と,表面の化粧単板との繊維方向を直交する様な製品構成したもの
- 合板の表板と,化粧単板の間に,紙または不織布のような層を挿入し,合板の表板の動きと,化粧単板の動きに対するクッション層を設け,合板の表板の影響を受けないようにしたもの
- 製品そのものを吸湿,放湿によって寸法変化が発生しないように化学処理を行ったもの
- 下地に合板以外の基材,例えばMDFなどを使用したもの
などがあります.
それ以外にヒビワレの発生は突板と基材(合板やMDF)との接着が弱いため,突板が浮き上がって発生したり,表面塗料の選択が誤ったため塗料が割れてヒビワレが発生することもあります.(TN)