曲げ木とは?
木材に適度の水分と熱を与え,細胞壁の成分の一部を軟化させた後,繊維方向に沿って曲げ,乾燥して変形を固定したものを曲げ木と呼ぶ.
曲げる際,ハガネの薄い板(帯鉄)を木材の一面に沿わせ,それらを一体として帯鉄側が凸面となるようにして曲げる(トーネット法).水分と熱を与え,木材を軟化させる方法として,一般に蒸気で蒸すことが行われるが,熱水に浸漬する場合もある.
曲げ木の変形は,湿度変化によって回復する性質があるので,一般に,両端を固定して使用する.高温水蒸気処理によって,変形を永久に固定することも可能である.椅子の背もたれ,木製楽器,照明器具,樽,運道具なの湾曲部材や曲げわっぱに用いられる.(MN)