住宅内のホルムアルデヒド気中濃度について,何か規制はありますか.
住宅室内空気中のホルムアルデヒド濃度等について,法的な基準は日本にありませんが(平成10年6月現在),近年社会問題となっている現状に鑑み,厚生省で組織された「快適で健康的な住宅に関する検討会議」が,平成9年6月にホルムアルデヒドの室内濃度指針値を提案しています.
この指針値(「30分平均値で0.1mg/m3以下」→室温23℃の下で約0.08ppmに相当)は,住宅室内のホルムアルデヒド濃度についての規制を定めたものではありませんが,居住者の健康被害を減少させるための目標と言えます(居住者がアレルギーや化学物質過敏症などの場合を除きます).
また,平成8年7月,産官学の共同により発足した「健康住宅研究会」では,発足から平成10年3月までの間,健康に影響を与える可能性のある揮発性有機化合物(当面優先的に配慮されるべき物質としてホルムアルデヒド,トルエン,キシレン,木材保存剤,可塑剤,防蟻剤を選定)に関して調査・検討を重ね,室内空気汚染の低減のための「設計・施工ガイドライン」及び「ユーザーマニュアル」を策定し,室内空気環境の良い住宅をつくっていくための設計・施工者としての考え方や住まい方の提案を行っています.(HY)