JASマークのついた製材品の種類と入手方法を教えて下さい.
製材品のJAS規格(日本農林規格)には,
- 柱,梁(はり)など木造住宅の構造部材を対象とした「針葉樹の構造用製材」
- 鴨居,敷居,壁板などの造作材を対象とした「針葉樹の造作用製材」
- 床・壁・屋根などの下地材を対象とした「針葉樹の下地用製材」
などの規格があり,それぞれその用途に応じて,本来要求される性能(構造用や下地用であれば主として強度性能.造作用であれば見た目の性能等.)により,いくつかの等級に区分することで,製材品が合理的で有効に利用されることを大きな目的としています.
ところが実際の流通では,例えば構造用の柱であっても見た目の美しさを要求されたり,断面寸法の合理化のために構造用製材の規格に定められた規定寸法以外のものが求められるなどのため,注文を受けた性能や品質のものをJASの対象となるかどうかに係わらず供給せざるを得ないといったことがあります.
また製材品の特性からは,接着製品と違ってJASによる表示が無くても相対取引などでは外観で判断できることなどから,これまで一般的にJAS表示品の要求が非常に少なく,他品種少量生産の中での表示の手間もあって,JASマーク表示品の流通が,積極的に活用いただいている特定の地域を除き,未だ少ないというのが現状となっています.
一部のハウスメーカーや大工・工務店さんなど,JAS規格の主旨をご理解下さりJAS品をご指定いただくユーザーの方が増えていけば,製材のJAS表示品の供給体制ももっと整備されてゆくはずなのですが・・・.
もちろん本来こういった事は,供給側から整備するべきもので,そちらの努力が第一ですが,ユーザーの方々にもぜひJAS表示品という指定を下さるようお願い致します.
なお,製材の各規格のJAS認定工場は,各府県の木連(製材JAS登録 格付機関全国木材組合連合会支所)へお問い合わせ下さい.(HY)