木質建材のホルムアルデヒド放散量の基準について教えて下さい.
ホルムアルデヒド放散量の基準は,JAS(日本農林規格)では普通合板,コンクリート型枠用合板,構造用合板,特殊合板及びフローリングの規格に,JIS(日本工業規格)ではパーティクルボード及び繊維板(MDFのみ)の規格に規定があります.
基準の数値は,一定枚数の試験片をデシケータという密閉容器に入れて20℃で24時間放置した時,一緒に入れた水に吸収されたホルムアルデヒドの水中濃度です.
このデシケータ値は一般に問題となる気中濃度(単位ppm等)とは別のもので,デシケータ値から気中濃度を推定するには,その建材の使用量,部屋の容積,温湿度,換気量等が大きく影響し,また建材からの放散量は十分な換気が行われれば時間経過とともにある程度のレベルまでは急速に低減するといったこともあるため簡単ではありませんが,影響する因子を考慮した推定式などが提案されています.
最近,ホルムアルデヒド等の化学物質による室内空気汚染が大きな社会問題となっていますが,合板などの木質建材でも価格を抑えられた中でホルムアルデヒド放散量の低減に各メーカー努力されており,全般的には放散量レベルの低い製品がかなり普及してきていると言えます.
なお,JASのF1~F3の基準は,低ホルムアルデヒドである旨の表示をする場合のみ適用する任意基準であり,Fの表示がないからホルムアルデヒド放散量がF3の基準を必ず超えているとか,F3が最悪レベルであるとかいうことではありません.
一方,対象となる製品は違いますが,JIS表示品はE0~E2の何れかに分類されます.(
HY
)
デシケータ法による
水中濃度の基準
JAS
(任意)
JIS
(択一)
備 考
0.5mg /
?
以下
F1
E
0
JASは左の数値が何枚かの平均値の基準で,他に各枚の最大値の基準があります.
JASとJISでは厚さにより試験片の数に若干差がありますが他は同じ方法です.
1.5mg /
?
以下
-
E
1
5.0mg /
?
以下
F2
E
2
10.0mg /
?
以下
F3
-