ウッドデッキが流行っていますが,なぜ歩き心地がいいのでしょうか.
ウッドデッキの歩き心地のよさは,木材の力学的異方性にあると言われています.
木材は,かつては樹木として生きていたものですが,樹は生きているとき,自らの自重を支えるとともに,風による曲げの力にも耐えなければなりません.そのために樹の立っている方向(軸方向,鉛直方向)に特に繊維を強くしなければなりません.また,一方で細胞の中を中空の細長いチューブにして軽くする必要があります.そのようにすると,実は風による曲げに対しても都合がよいのです.というのは,太くなると曲がりにくく折れにくくなるのです.
太い方が曲がりにくいということは,日常よく経験することですね.中空にして太くし,折れにくくした結果,樹(木材)は,太さ方向には中空なので,変形し易いのです.そのため,ウッドデッキは,足で踏みつけた瞬間,繊維に直角方向の(中空がつぶれる)変形をし,局部的に歩行の衝撃を吸収してくれるのです.このことが,ウッドデッキが足にやさしいと感じる主な要因と考えられます.
また,中空の細胞でできているので,熱が伝わりにくく,足から熱が逃げない,あるいは足に熱が伝わってこない,すなわち,足が冷えにくく,つめたくも,あつくもないということも,歩き心地の良さに関係しているものと考えられます.
雨上がりでも歩きやすく,バーベキューなども出来るので,今後は,家庭にもウッドデッキが普及することでしょう.(MM)