樹木を輪切りにすると「年輪」が現れますが,年輪はどのようにしてできるのですか? 教えてください.
幹が太くなるのは分裂組織の活動の結果ですが,分裂活動は1年中行われているわけではなく,例えば日本では,春から秋口にかけての,比較的短い期間に限られています.
しかも,分裂の初期に作り出される材と後期に作り出される材とでは,細胞の形や大きさ,場合によっては細胞の種類まで違ってきます.
そこで,初期にできた材を早材(そうざい),後期にできた材を晩材(ばんざい)と呼んで区別しています.早材を春材,晩材を夏材ともいいます.
樹木を輪切りにすると,早材から晩材への移行の様子がよくわかります.このような様子は,木材の成長(肥大成長)そのものです.
1成長期間中に形成された環状の層を成長輪と呼んでいますが,日本のような温帯地域では普通1年を秋期とするので,年輪といいます.(TK)