天然木ツキ板と木目印刷とを見分ける方法はあるのですか?
印刷の場合は一般に,虫眼鏡か何かで拡大して見れば,網点が見えます.
印刷の場合は,赤青黄のインクの点の大きさで色相や明度の違いを表現しています.従って網点が見えるのです.でも,どうして印刷だと見分ける必要があるのですか.本物の方が高価だからですか.それとも偽物だということでいやなのですか.
最近の木目印刷は,精巧にできているものも多く,道管のように大きめの細胞の微小な凹凸をエンボス加工で付けたり,見る方向により光沢が変化するような工夫が試みられたりしています.
本物の木材は透明性のある細胞から出来ているので,何層か中からの光の反射もあり,よく眺めると確かに深みがあります.
ただ,木目印刷のよいところは,天然物でないので,色揃え,色合わせが容易だということです.同じ色をどんなに広い面積でも用意できます.後から追加する場合でも,同じ色を揃えることができます.
貴重な大径木を伐らずに,大径木の木目を安価に楽しめるという利点があります.今後益々印刷木目は精巧になっていくものと考えられます.
また,淡色の木材の薄い単板に早材と晩材の色調に染色し,銘木となるような型で圧締接着し,さらにそれをスライスして作った人工銘木ツキ板も市販されています.(MM)