木材のにおいにはどんな効果があるの?
樹種によって多種類の臭い成分がありますが,大多数の人が「良い臭い」と感じているヒノキ,スギ,アカマツ,ヒノキアスナロなどには,αーピネン,βーピネンが多く含まれています(ヒノキではαーピネンが63%,βーピネンが27%,スギではαーピネンが96%を占めている).
αーピネンは,森林浴中の森の空気中にも存在することが知られています.
このαーピネンの吸入すると疲労度の自覚症状訴え率が減少を示し,さらに実際に疲労度を軽減する効果を持つ事が観察されています(高岡正敏:アトピー性皮膚炎と環境,日本小児科学会誌,9,20-24 (1990)).
また,人に自然な感じを与えるタイワンヒノキやヒノキアスナロから得られる精油が室内塵性ダニ類の行動や繁殖を抑制することも報告されています(高岡正敏:小児喘息患児の家庭内のチリダニ科pyrogliphaidaeの季節消長及び日内変動と喘息発作度について,アレルギーの臨床,4,63-67 (1984)).
本来,木材には2%程度の精油が含まれていますが,その精油濃度の10%でダニの繁殖が抑制されることが明らかにされています.(KA)