木材の狂いの防止法について教えて下さい.
製材した直後の板材や角材は真っ直ぐですが,時間が経過すると乾燥によって反りや曲がり,ねじれ等の変形を生じて,目的とする寸法の材料が得られ難くなります.この変形を総称して狂いと呼びます.狂いの原因には,1)木材繊維が真っ直ぐ走行していないもの,あてなどの異常組織を含む木材固有の先天的なものと,2)乾燥過程で不適切な処理(不正な桟積み,乾燥温度の設定ミスなど)による後天的なものがあります.後者は正しい乾燥技術によって完全に防止できます.なお,前者も桟積み上部に重しを置き,狂いやすい木材を桟積みの下部に配置することでかなり防止できます.
一方,不適正な乾燥で狂いが生じた木材は,ホットプレスで加熱圧締すると平滑となり,その後コールドプレスに移して圧締冷却すると,狂いが矯正できます1).また,プレス機がない場合でも,狂いの出た木材に水分を吸収して元の真っ直ぐな状態に戻し,桟積み下部に配置して再乾燥すると狂いのない木材が得られます.
(YT)
参考文献
1)谷口義昭ほか3名:木材工業,45(4),pp.168-172(1990)