日本にはどのぐらいの森林資源があるのですか?また,このまま木を利用し続けても日本の森林はなくなりませんか?
日本の森林面積は約2500万haで,国土の7割近くを占めています.森林面積は近年ほとんど変化がなく,今後も面積が大きく変化することはないと見られています.森林の蓄積(木が生長した量を体積で表したもの)は,人工林を中心におよそ8千万m3ずつ増えています.ですから,森林資源がなくなる心配はほとんどありません.それに対して年間消費している国産の木材は約2千万m3です.ですから,国内の木を全く切らないとしたら,森林の蓄積の年間増加量(年間に成長する木材の量)は1億m3あるということになります.
外材の方が価格が安いため,日本の木材の自給率は現在のところ約20%です.つまり,日本の木材の総需要量は年間1億m3で,そのうち年間8千万m3を外国から買っています.
国産材の利用量が今のままだとすると,蓄積が毎年8千万m3のペースで増加することになり,日本の森林がなくなるということは全くありません.もし,外国から木材を買うのをやめてすべて国産材でまかなうようにしたとすると,年間に成長する木材の量が1億m3で,木材の総需要量も1億m3ですから,ちょうどバランスして,森林の蓄積は増加も減少もしないということになります.
(シンクタンク勤務・DM)