住宅の耐震性はどのように計算するのでしょうか? 家が地震や台風に対して大丈夫かどうか心配なのですが,素人でもわかりますか?
いわゆる壁率計算を行なうことによって風や地震に対する耐力を概算することができます.木ずり壁や木舞土壁は0.5,石膏ボード釘打ち1.0,柱半割筋かい2.0,構造用合板釘打ち2.5 といったように耐力壁の種類によって壁倍率が求められています.これらの耐力壁それぞれの長さ(何m)とそれぞれの壁倍率を掛け合わせたものの合計を求めるとその家の地震や台風に対する耐力が分かります.一方,家の床面積が分かれば,その家の大体の質量(重量)がわかります.質量がわかれば地震時に壁が受ける力がわかります.地震時に受ける力に対して,それに耐える力(有効壁長あるいは存在壁量ともいう)が十分にあればよいわけです.壁率すなわち,有効壁長/床面積 を求めれば家の耐力と地震力との比がわかります.これが大きければ耐力が大きいということになります.この壁率がいくら以上あればよいかは,建築基準法施行令で定められています.例えば,瓦葺屋根の2階建の建物では,1階の壁率は0.33(m/m)以上なければならないといったように定められており,桁行方向,梁間方向それぞれの揺れについて検討します.ちなみに2階の壁率は0.21(m/m)以上でよいのです.1階の壁には,1・2階両方足した質量に対して地震の加速度が作用するためです.1階の方が2階よりも丈夫にしないと,つぶれやすいのです.
台風に対して大丈夫かどうかの検討のための壁率は,有効壁長/見付面積 で求まり,0.5(m/m)以上あればO.K.となります.見付面積とは,桁行方向,梁間方向の風それぞれに対する受圧面積(床面から3.5m以上の壁面積)のことです.
(MM)