最新木質建材[二次加工品系]
412 Vカット加工
v-shape grooving process for decorative laminated layer

説明  Vカット加工は,もともとはTVキャビネット,ステレオ,スピーカーボックス,音響関係の部品や本体など,弱電向けの製造技術として一般に用いられてきた技術です.最近では,この加工技術を利用して様々な建築部材が生産されています.


V カット加工された部材の例(芯材は合板)
(松下電工(株)カタログより)
原料と製法
  1. Vカット加工の素材,接着剤には次のようなものが用いられます.
    • 芯材となる素材:MDF,パーティクルボード,合板,集成材,木材など
    • 台板となる素材:MDF,合板など
    • 表面材となる素材:樹脂化粧シート,コート紙,突き板シートなど
  2. Vカット加工は次のような手順で行われます.
    1. 化粧シート貼りされた板の裏面をV溝加工して,接着剤を塗布します
    2. V溝を介して折り曲げます
    3. 芯材を被覆して組み立て接着します
  3. V溝の変わりに櫛目状にいくつもの細溝を付け,これを折り曲げて曲面形状をつくる櫛目カット加工もあります.

Vカット加工の図
用途
  • ハウジング造作材:ドア枠,窓枠,見切材など
  • 家具造作材:扉,扉框など
物性例  JIS K 6854「接着剤の剥離接着強さ試験方法」(廃止規格)の
  • ピーリング強度:2 kg以上/25 mm幅
 JAS「合板の日本農林規格」の
  • 平面引張強度:0.4 MPa以上/cm2
  • 寒熱繰返しC試験:表面に割れ,ふくれ,変色なきこと