最新木質建材[処理木材] | |
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303 樹脂処理木材 | |
resin-treated wood |
説明 |
木材の狂う,腐る,柔らかいなどの欠点を補うために,各種合成樹脂の注入処理が行われます.これらの処理が行われたものを,用いられた樹脂により区分すると,
最近では,木粉と熱可塑性プラスチックを混合して押出や射出により成形した木粉プラスチック複合体のことを「WPC」と指すことが多いです(混練型WPCと呼ばれます).混連型WPCの詳細についてはこちら(木材・プラスチック複合材部会)でご確認ください. |
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種類 |
WPCは,木材にビニル系モノマー,オリゴマー,プレポリマーを注入した後,触媒を用いた加熱または放射線照射してラジカル反応により重合させることにより,木材にプラスチックの性質を付与して,木材の性質を生かしつつ欠点を改良した複合材料です. フェノール樹脂処理木材は,フェノール・ホルムアルデヒド樹脂初期縮合物を木材に注入した後,加熱して縮合反応させて不溶性の樹脂としたものです.これには,処理した単板を高温高圧で積層,硬化させた硬化積層材と,素材を処理して加熱,硬化させてえられる樹脂注入材があり,一般には硬化積層材が多く使用されます. PEG処理木材は,PEG(両末端に水酸基をもつ直鎖状の高分子で,分子量200程度から1万程度のものまである)水溶液を,減圧法等で注入,あるいは飽水状態にした木材をPEG水溶液に浸せきすることにより,拡散を利用して注入されます.WPCやフェノール樹処理木材と異なり,重合,硬化することはありません.この手法は遺跡などからの出土木材の保存にも適用されています. |
規格 | なし |
用法 |
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物性 |
WPCでは硬さ,耐摩耗性の向上が期待され,樹脂含量の割合が40~50%になると素材に比べ数倍になります. フェノール樹脂処理材では,大きな寸法安定性が得られ,機械的性質も向上します.特に圧縮強さ,曲げ強さは1.3~2倍程度になり,硬さ,耐摩耗性も増大します.硬化積層材では木材単板の圧縮が生じ,極めて高密度,高強度の材が得られます.これらの物性は,用いるフェノール樹脂の分子量によって影響を受け,特に寸法安定性や腐れに対する抵抗性は分子量の低い樹脂を用いる方が効果があります. PEG処理材では,高い寸法安定性が得られます(高湿度の環境下では低下)が,機械的性質はほとんど変わらないか,やや低下します. |
使用例 |
ウォーターフロントのボードウォークに用いた場合 |