最新木質建材[素板木質材料系]
217 木片セメントボード
cement bonded particleboard

原料と製法  主原料は大きく結合材のセメント,補強用繊維質原料(多くは木材削片),混和材の3つに分かれ,それぞれ単一,または混合して使用されます.一般的に,下図に示した工程により製造され,その基本となるのが抄造方法と養生方法です.
 抄造方法は,乾式製法が用いられます.さらに,セメントの硬化を進める養生について細かく述べると
  1. 1次的なもの(板状になった物を搬送および取り扱い可能な状態まで進めます)
  2. 2次的なもの(1.の後,製品としての性能を十分に発現させるまで進めます)
の2工程です.
 1.としては,圧締硬化が行われています.
 2.は自然養生法および高温高圧(オートクレーブ)養生法が挙げられます.
 針葉樹や広葉樹の木材チップ,さらに木材加工業の廃材,低質材,未利用材など,木材としての利用価値の低い木質材料を有効かつ合理的に利用します.



木片セメントボードの製造工程
用途  木片セメントボードは,その特徴である防火・遮音・断熱・強度・耐久性から,主に外壁(外装)材として,用いられます.


木片セメントボードを外壁に使用した住宅(ニチハ(株)提供)
種類  主な製品長さ,幅の働き寸法および厚さは, JIS A 5422-2002で規定されています.
その他 表面意匠性
 木片セメントボードは,表面加飾(エンボス)および塗装が行えます.
 表面加飾は,抄造工程で成型された比較的柔らかい状態のマットに凹凸模様の型で押すことで得られ,多種多彩な柄付けが可能です.
 塗装は,まず,下塗り(プライマー)をし,その上に水性または溶剤タイプのアクリルウレタン樹脂塗料で色・化粧を行い,さらに耐久性向上のためにトップクリアーコートを施すのが一般的です.

木片セメントボードの物性

規格
  • JIS A 5422-2002窯業系サイディング