最新木質建材[素板木質材料系]
216 スカーフ縦つぎ合板
scarfed plywood

説明  スカーフ縦つぎ合板は,2枚以上の合板の木口(端)をそれぞれ斜めにカットし,カット面に接着剤を塗布したのち,張り合わせて,より大きな面積を持つ合板を得るための接合方法です.限られた面積しか作ることのできない合板を,理論上はこの接合法を用いて自由なサイズの合板を作ることができます.また合板とスカーフジョイントに用いる接着剤を適当に選ぶことにより,外部用にも使用することができます.
 斜めにカットしたスカーフ面の長さと厚みの比率(スカーフ比率)によって,得られるスカーフ合板の強度が変化します.スカーフ比率が大きいものほど強度的には優れていますが,合板材料の損失が大きくなり,用途に応じて適当なスカーフ比率を選択する必要が有ります.
 フィンガージョイントに比べて材料の損失が大きく,接着工程でオーバーラップ,接着層のずれによる接着不良,縦方向の間借りなどが起きやすい欠点があります.これらの欠点を補うために,スカーフ面に溝を施したもの溝付きスカーフ,スカーフの長さの中央に段を付け,接合能率の向上をはかった,フックドスカーフなどがあります.

種類  製品の種類についての規定はありませんが,使用する合板の材質,接着剤によりいろいろな性能を持つスカーフ縦つぎ合板の製造が可能です.
規格  スカーフ縦つぎ合板としての規格はありません.
 スカーフジョイントの判定は,ジョイントした材の曲げ試験,引っ張り試験などによりますが,ASTMではブロックせん断試験(conducting shear-block test for quality control of glue bonds in scarf jointsD1759-64)によっています.
用法  具体的なものとして下記のような例があります.
  • 縁甲板などの長尺用合板
  • 大型パネル用合板
  • コンテナ合板
 など