最新木質建材[素材系]
108 ベイマツ (米松)
Douglas fir (Pseudotsuga menziesii)

 日本ではトガサワラの仲間で,北米大陸西部の広い範囲に分布し,特にカスケード山脈の西側斜面に多く生育しています.日本における最も多い輸入米材はこのベイマツです.
樹 形

 直幹性大高木で,高さ100m,胸高直径2.5m,まれには4mに及ぶものもあります.樹冠は狭円錐形で,上枝は長く水平に,下枝は下垂し捩曲する事が多い樹種です.枝葉ともにトガサワラに比べて繊細です.
材の特徴  針葉樹材としては重硬であり,堅硬で長大材が得られます.辺材は淡黄色,心材は淡褐赤で心辺材の区別は明瞭です.早晩材の推移も急です.木理は通直で,肌目は粗いのが特徴です.樹脂道があり,不充分な乾燥では,時間の経過とともに「やに」が表面にしみ出してくるので,用途によっては乾燥に注意をはらう必要があります.
材 質  材質はスギとマツの中間で,強度はマツに匹敵すると見て良いでしょう.気乾比重は0.55,絶乾比重は 0.51,圧縮強さ 43 N/mm2,引張強さは105 N/mm2,曲げ強さ72 N/mm2,曲げヤング係数12.7×103 N/mm2,衝撃曲げ吸収エネルギー6.0 J/cm2,含水率1%当りの平均収縮率(生材時寸法に対して)は繊維方向に0.035%,放射方向に0.25%,接線方向に0.39%,硬さは繊維方向に30 N/mm2,繊維に直角方向に28 N/mm2程度です.耐久性にも優れています.
用 途  建築材(柱・床板・戸・窓框ことに大構築物用材),土木用材(電柱・橋梁・枕木),車両(貨車・馬車),船舶材,合板,包装材,製紙パルプ等,幅広く使用されています.日本では,その強度性能に注目して,構造用大断面集成材のラミナとして多用されています.