コンクリート型枠用合板の品質表示が以前の「2種」から「B-C」などの表示になったようですが,どのように変わったのですか?
コンクリート型枠用合板のJAS(日本農林規格)では,コンクリート表面の仕上がり品質等に配慮し,表面及び裏面の単板(合板を構成する1枚1枚の薄板)の品質を規定しています.
従来の規格では,主に「打ち放し仕上げ」や「じか仕上げ」をするコンクリートの型枠用及び塗装型枠など表面に塗装又はオーバーレイを施した表面加工品を「1種」,それ以外のものを「2種」として区分し,各々表裏の板面品質を規定していましたが,針葉樹原料への対応などのため平成9年9月5日から改正施行された新規格では,単板を品質によりa~d(aが最も欠点が少ない)の4階級に分類し,その表裏の組み合わせにより,A-A(表面a単板-裏面a単板)~C-D(表面c単板-裏面d単板)の9種類(表面はc以上,裏面はd以上)の板面品質基準が設けられています.
現状の生産実態では,従来の2種に相当したものはB-C,1種に相当したものはA-BあるいはA-Cの格付に移行しているのが一般的なようです.
ただし,表面加工品には上記のような基準は設けておらず,表面加工の品質を規定.裏面については上記単板品質のd以上としています.
なお,平成9年のJAS改正では,上記の板面の品質基準の改正の他,諸情勢の変化に対応し,主として以下のような事項についても併せて改正されています.
- 曲げ剛性試験の基準変更等
「幅方向スパン用」の表示をするものについて,幅方向用の基準を追加.基準については,従来のたわみ量による基準から,曲げヤング係数による基準に変更しています(例えば,厚さ12mmの場合の長さ方向で,70×103kgf/cm2).また,これに伴い単板厚さ,積層数,構成比率などの基準が緩和されています.
- 規定寸法の廃止
厚さ(12mmから3mm間隔で24mmまでの5種類),幅及び長さ(6種類)について,従来規定寸法として他の寸法を認めなかったのを,標準寸法として他の寸法でも認めることとしています(ただし,厚さは12mm以上).
- 表示事項にホルムアルデヒド放散量を追加
普通合板のJASに準じ,ホルムアルデヒド放散量の表示(F1,F2等)が可能となっています(任意表示事項).
板面の品質基準の詳細や改正の概要については,財団法人日本合板検査会,日本合板工業組合連合会,日本合板商業組合の3者により,詳しいパンフレットが作成されています.(HY)