木材には,どうして腐りやすい木と腐りにくい木があるのですか?
木材の腐りにくさの程度,すなわち耐朽性は密度や硬さなどによっても左右されますが,一番大きな影響を与えているのは抽出成分といわれている物質です.これは樹木の成長にともない,辺材(丸太の周囲の部分で白太と呼ばれる部分)から心材(中央部分で赤身部分)に変わっていく過程で,心材部分に蓄積されいく物質のことで,木の色や香りの元にもなっています.
抽出成分の種類と量が異なるため,木によって腐りにくさの程度に差が出てくることになります.一方,辺材には抽出成分はほとんど含まれておらず,また糖類やタンパク質という腐朽菌の栄養になりやすい成分が存在するため,どの樹種であっても原則的に腐りやすいといえます.
国産材ではクリ,ケヤキ,アスナロ,コウヤマキ,ヒノキ,ヒバが,外材ではチーク,ベイスギ,ベイヒバ,ジャラ,ボンゴシなどが,心材耐朽性の高い樹種です.
抽出成分には,テルペン,フェノール,タンニン,ワックス類などがありますが,βツヤプリシンはヒノキチオールとも呼ばれ,アスナロ,タイワンヒノキ,ベイスギ,ベイヒ,ネズコなどに含まれている抗菌物質です.(YI)