木材はリサイクルが容易な材料と聞いていますが,ほんとうですか?
はい,そのとおりです.木材は,元来リサイクル性に優れた材料です.例えば製材廃材をチップ化して木質ボードや紙パルプの原料とするほか,廃棄の際には,エネルギーとして利用することも可能であり,多段階(カスケード)型の多様なリサイクルができます.
この点を木材工業についてみると,木質材料は原料の形態が素材→製材→板→削片(パーティクル)→繊維(ファイバー)と基本的にカスケード型をなしています.このため,木材工業の廃材の90%以上は,カスケードの流れにそってリサイクルされるほか,ときには燃料として再利用されています.
残念ながら,住宅解体現場で発生する解体材は,発生量が極めて多いのですが,ほとんどが有効に利用されることなく,産業廃棄物として焼却埋め立て処分されているのが現状です.しかし,最近,パーティクルボード(削片板)やファイバーボード(繊維板),そのほか木片セメントボードなどのいわゆる木質ボード,紙パルプ,その他の原料として,解体材を利用する技術が急速に進んできました.解体材の有効利用は,生活環境の維持という点からも,大変重要な課題です.(SK)