地球が温暖化すると,どんなことがおこるんですか?
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は,経済成長,人口増加,対策の有無,気候感度(二酸化炭素増加による気温の変化しやすさ)などの条件を想定し,2100年までに地球上の平均気温は1~3.5℃上昇すると予測しています.地球規模で気温が上昇すると,次のような影響が懸念されます.
・海面の上昇(海水の体積膨張や氷河の融解)50cm上昇→沿岸地域の水没
日本では,海水位が1m上昇すると海面以下の地域が2.7倍(2,300km2)
→人口1540万人,資産109兆円が危険にさらされる
・生態系の変化(絶滅種が増加,林業活動の配置に影響,野生生物の生息場所が崩壊)
気候帯水平移動速度:4~5km/年 ⇔ 樹木の分布拡大速度:40m~2km/年
穀物類の栽培北限:数100km北上/平均気温が1℃上昇
・健康(伝染病危険地域が増加)→西日本が伝染病流行危険地域に入る可能性がある
・公害との複合化(大気,水質汚染などの公害の影響を助長)
・影響の度合い(高緯度地域ほど温暖化)→北極や南極では10℃近く上昇
(MI)
参考文献
環境庁:EICネットホームページ(http://www.eic.or.jp) (1998)
福岡克也:「地球環境保全戦略」, 有斐閣 (1995)