木は「持続可能な資源」と聞きますがなぜですか?
石油、石炭、鉄鉱石などの埋蔵資源は、掘り出して使ってしまえば、いつかは底をつきます.ところが,木質資源(木材,竹材)は,伐採して使っても,その後に新しい苗木を植えておけば,30~50年で,また材料やエネルギー源として使えるように成長してくれます.使う木材の量が成長する樹木の量を越えない限り,木材は,永久に持続可能な資源として利用できるのです.さらに,樹木の生長期間が短縮されるか,木材製品の高耐久化技術,リサイクル技術によって製品の使用期間が長期化することにより,木材の消却量が森林の生長量を下回るように工夫すれば,大気中の二酸化炭素量を減少させることができます.木材利用によって,積極的に地球温暖化を防止することができるのです.他の建築材料は,使用すれば必ず大気中の二酸化炭素を増加させるのに対し,木質系材料は,使用しながら大気中の二酸化炭素を減らす可能性を持つ唯一の資源なのです.
(MI)
参考文献
大熊幹章:炭素ストック, CO2収支の観点から見た木材利用の評価, 木材工業, 46 (3), 54-59 (1998)