木造住宅の柱に使う樹種は,地域によって異なると聞いていますが,具体的には,どの様な樹種が使われているのでしょうか?
在来工法の木造住宅の柱には通し柱,管柱,間柱があります.通し柱と管柱は構造材ですが,これらの間に立てる間柱は壁材料を支える下地材と考える方がよいでしょう.通し柱と管柱は,一般に軽くて強く,通直な長い材が得られる針葉樹材を使います.全国的にみてヒノキ,スギ,ベイツガなど使うことが多いようですが,地域によってはヒバ,カラマツ,エゾマツ(とくに北海道)などが好まれることがあります.このほか,現在では無垢材より品質が安定している集成材(集成柱)も使われています.集成柱には最近ではスギ,スプルース(ホワイトウッド)が約7割を占め,そのほか各種の内外産針葉樹材を使っています.和風建築では材の装飾性も同時に重視するので,柱材として木肌の美しい木を使いますが,ヒノキ,スギなどの化粧単板などの貼った集成柱も使います.間柱にはスギ,ベイツガ,マツ類などを使います.
このほか柱としては,一部の住宅にみられる大黒柱にはケヤキなどのような重硬な材を使います.また床柱は全くの装飾材で,強度には関係なく装飾性が高いスギの磨き丸太や銘木類を使います.
(TS)